ラクロスという競技は、フィールドに立つ選手だけで成り立っているわけではありません。その裏側には、日々チームを支え続ける学生チームスタッフや指導者の存在があり、数えきれない挑戦や工夫が積み重ねられています。
WEBメディア「VARROWS.NET」では、九州ラクロス強化部と協働し、ラクロスの現場で生まれてきた“人の想い”に焦点を当てた特集をお届けしています。
今回ご紹介するのは、西南学院大学男子ラクロス部・九州24ユース(選抜されたメンバーで構成されたチーム)のスタッフとして活動する竹原瑚陽さんです。
高校時代にはサッカー部のマネージャーとしてチームを支え、現在はラクロスという新たな競技の現場で、学生スタッフとして活動する竹原さん。競技を支える立場だからこそ感じるやりがいや難しさ、チームに関わる中で大切にしている想いについて、ご自身の言葉で綴っていただきました。
「支える側」としてスポーツに向き合い続ける竹原さんの言葉から、チームスポーツの魅力や、学生スタッフという存在の価値を感じていただける内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
悔しさを原動力に、ユーススタッフを目指した理由
きっかけは、1年生の時に味わった「悔しさ」です。
TS(トレーナー・マネージャー・アナライジング等チームに携わるチームスタッフの略)の活動は自分の仕事が選手やチームに直結している実感や面白さがあり、もともとの「一度やると決めたらとことん突き詰めたい」という私の性分にも合っていて、早くから夢中になっていました。
そんな中、大きな転機となったのが1年生のサマーカップです。同期のTSがベストTS賞を受賞したのですが、お祝いする気持ちと同時にどうしても悔しいと思ってしまう自分がいました。続くウィンターカップでも受賞できず、自分の力不足を痛感したことで自分の負けず嫌いな性格に火が付きました(笑)
一度やると決めたからこそ、中途半端なことはしたくない。自分もトップの基準でチームを支えられる存在になりたい。その思いからユースを目指すことを決めました。

選抜経験を通して変化した“TSとしての意識”
一番変わったのは、もともと自分に自信が持てなかった私が、「TSとしての自覚と自信を持つ重要性」を強く実感できるようになったことです。
選考会が始まった当初の私は、周囲に圧倒され、消極的になってしまう瞬間が多くありました。しかし挑戦を続ける中で、「TSの自信のなさは選手に伝わり、その不安が信頼関係に影響を与える」ということを学んだんです。自分の内面の課題が周囲にどれほど影響するかを知り、自分の弱さと向き合うべきだと強く感じました。
そこから、自信をつけるための手段として「自分自身と向き合う習慣」をより一層徹底しました。選考会前に必ず目標を立て、終了後には振り返りを行うだけでなく必ずフィードバックをもらうようにしたんです。正直、辛辣な内容や目を背けたくなるような内容もありましたが、自分の立ち位置を客観視するために毎回振り返りと照らし合わせながら自己分析を行いました。
これを繰り返していくうちに、欠点を克服し成長していくプロセス自体を楽しく感じるようになり、結果的に「TSとしての確かな自信」に繋がっていきました。まだまだ学ぶことは多くありますが、この経験で得た自覚と自信をもってこれからもチームのために動きたいと考えています。
全国のTSと出会い、視野が広がったユース交流戦
一番印象に残っている「ユース交流戦」は、全国から集まった同期を目の当たりにし、自分の未熟さを感じると同時に、今の自分の立ち位置を全国規模で客観的に測る貴重な機会になりました。
各地区の特色やそれぞれが抱える課題に触れたことは、所属する九州地区を客観視するきっかけにもなり、自チームや地区にどう還元するか考える時間になりました。
また、全国のTSと直接関われる貴重な機会を活かしたいという思いから、空き時間に他地区のTSと情報交換をしたり、関東地区の強化部の方ともコンタクトを取らせていただき、交流戦後も継続してお話を伺うなど、各地区の取り組みや考え方に触れることができました。
全国の高い基準を肌で感じながら、自チームや地区のために多くのヒントを得られたとても有意義な時間だったと感じています。


地区代表として感じた責任と、少数精鋭ならではの難しさ
地区内外から受けるプレッシャーと、少数精鋭ならではの立ち回りの難しさの二つを強く感じていました。
まず責任という面では、同地区のメンバーから期待を向けられる一方で、ユース交流戦のような全国の舞台では、自分たちの振る舞い一つが九州地区全体の印象を左右するという緊張感がありました。応援される立場であるありがたさを噛みしめると同時に、常にその背景にある代表としての重みを意識していました。
また活動の難しさとして感じたのは、全員が自分の役割以上の動きを求められる点です。ユースTSは人数が少ないため、自分のポジションに固執せず、他のTSの動きを見てお互いにカバーし合う必要があります。選手へのサポートはもちろん、TS同士が今どう動いているのか、組織全体を俯瞰して見守る視野の広さが常に試されていたと感じています。
選手が100%プレーに集中できる環境を目指して
今後も変わらずに大切にしたいのは、「選手が100%プレーに集中できる環境を作るために行動する」ことです。そしてそれに加えて、今後は選手に対して「安心感を与えられる存在」になりたいと考えています。
自分の役割をただ淡々とこなすのではなく、選手やコーチが今何を求めているのかを的確に汲み取り、常に最適なサポートを模索し続けたいです。選手から「この人がいるなら大丈夫」と信頼されることは、決して簡単ではありません。だからこそ、自身のスタッフスキルを磨くだけでなく、戦術などのプレーに関する知識もより一層深めていくつもりです。
ラクロスが好きだという初心を忘れることなく、高い水準でチームに貢献できるスタッフでありたいです。


これから選抜を目指す後輩スタッフへ伝えたいこと
選抜を目指したいと思える時点で、皆さんの中には「ラクロスが好きで、もっと頑張りたい」という気持ちがあるはずです。まずはその初心を忘れないでほしいなと思います。
選抜の環境に身を置くと、周りのスタッフがライバルに見えるかもしれませんが、本質的には「自分との戦い」だと私は感じています。自チームだけで活動していると視野が狭くなりがちですが、選抜は「自分のやり方だけが正解ではない」と知る絶好の機会です。
他チームの優れたやり方や意見を柔軟に吸収しつつも、自分の軸はブレずに持ち続けること。そうやって視野を広げながら、過去の自分を越えて成長し続ける姿勢が何より重要になります。
また、常に「選手ファースト」で考えることも意識してほしいです。ただし、ただ選手の要望に従うだけでなく、チームのために何が最善か、スタッフとしての最適な選択を模索していくことが大切です。
そうやって自分の弱さと向き合い、殻を破って得た経験は、必ず自チームを強くする力になります。皆さんが選抜で学んだことを活かして、それぞれチームを引っ張っていける存在になってくれたら嬉しいです。応援しています!
