「味方」って、聞くだけでなんだか安心する言葉ですよね。
試合前に「大丈夫、私はあなたの味方だよ」と言われると、心が少し軽くなる。
でも、同じ「味方」という言葉が、時には重たく感じることもありませんか?
「応援されているから頑張らなきゃ」と思ったり、「期待に応えられなかったらどうしよう」と不安になったり…。
このコラムでは、そんな「味方」という言葉が持つ”二つの顔”について考えていきたいと思います。
「味方」という言葉が持つ”二つの顔”
「私はあなたの味方だよ」
誰かにそう言われたとき、心がふっと軽くなる経験をしたことがある人は多いでしょう。
大変な時期や迷っている時期に、この一言がどれほど心強いか…。
味方の存在は、私たちの背中を押してくれる大切な力になりますよね。
でも、時に同じ「味方」という言葉が、励ましどころか、重く感じられる瞬間もあります。
応援されているはずなのに、期待されている気がして苦しい…。
そんな気持ちになったことはありませんか?
「味方」の言葉が重たくなるときもある
この「味方」という言葉が、いつの間にか重たいものに変わることもあります。
「あなたの味方だから、期待してる」
「あなたの味方だから、勝ってほしい」
気づけば、「味方」のあとに続く言葉が、応援じゃなく“条件”のように感じられることがあります。
最初は純粋な思いからの応援でも、「応援されているから頑張らなきゃ」と思い込み、プレッシャーになることもあります。
また、「味方」という言葉の裏に「こうなってほしい」という期待が透けて見えると、「本当に私を受け止めてくれているのかな?」という不安に変わってしまうのです。
「味方」という言葉がくれる安心感
けれど、本来は「味方」という言葉には、何となく不思議な安心感があります。
例えば、試合前の緊張している時、「大丈夫、私がついてるよ!」とチームメイトに言われると、前に進む力が湧いてくるような気持ちになる。
学校や職場で嫌なことがあっても、「あなたの味方だよ」と言ってもらえたら、心がスッとラクになる。
この「味方」の存在は、”自分はひとりじゃない”と思わせてくれる力があります。
たとえ結果がどうであっても、無条件で自分を支えてくれる人がいる、そう信じられることが、心を強くしてくれるんです。
本当の「味方」ってなんだろう?
じゃあ、私たちが本当に求めている“味方”って、どんな存在なのでしょうか?
それはきっと、「結果や選択をジャッジせず、ただありのままを受け止めてくれる人」だと思うのです。
勝った時だけ喜ぶ人でも、失敗した時にがっかりする人でもなく、どんな時もそばにいて、ただそのままの自分を見てくれている人。
そして「またやってみよう」と自然に思わせてくれる人。
そんな人が、私たちの本当の味方なのではないでしょうか。
「味方でいる」って、簡単なようで難しい…
とは言っても、正直、味方でいることは簡単ではありません。
特に親や先生、コーチなどの立場にいると、どうしても「もっと頑張ってほしい」「うまくいってほしい」という思いが先に出てしまいます。
応援するつもりが、知らないうちに「プレッシャー」を乗せてしまうこともあるんです。
だからこそ、「味方でいる」ということは、応援する側にも“覚悟”が必要なんです。
失敗しても、思い通りにならなくても、それでもその人の人生を尊重する。
「あなたが選んだ道なら、私はそばにいるよ」と言える強さが必要なんです。
味方に伝えていい、本当の気持ち
もし今、あなたが「味方」という言葉に少し疲れてしまっているのなら、無理に前向きに受け止めなくても大丈夫です。
「ありがたいけど、ちょっと苦しいな」
「うれしいけど、重たいな」
そう思う気持ちは自然なこと。
むしろ、それだけ一生懸命に頑張っている証拠です。
そんなときは、自分の気持ちを、少しでも良いので伝えてみてください。
「今日は応援よりも、ただ見守ってほしい」
「結果よりも、頑張ったことを認めてほしい」
たった一言でも、相手が本当の味方であれば、きっと受け止めてくれるはずです。
“無条件の味方”になれる人でいたい
「味方」という言葉には、励ましにも、プレッシャーにもなる力があります。
ましてや”条件つきの味方”は、応援どころか、大きなプレッシャーや負担になってしまうことがあります。
うまくいかなくても、立ち止まっても、それでも「あなたの味方だよ」と言える存在が、どれほど心を救うか…。
最後に、、
あなたにとっての「味方」は、誰ですか?
そして、もしあなたが誰かにとっての“味方”として、、あなたはどんな言葉をかけたいですか?
あなたのその言葉が、誰かの心を支える大きな力になりますよ。