プロフィール
別府 朋香(べっぷ ともか)
• 福岡大学スポーツ科学部健康運動科学科 4年生
• サッカー経験:12年
• 広川フラワーズFC → 神村学園高等部 → 福岡大学
• サッカー2級審判員(2022年度)
• サッカー1級審判員(2024年度)
審判員を目指そうと思ったきっかけ
高校時代、私は鹿児島県の神村学園女子サッカー部に所属し、日本一を目指して仲間と共に日々練習に取り組んでいました。その際、4級審判員の資格を持っていたことから、試合では副審や第4審判員として頼まれることがあり審判の経験もしていました。そこで出会った女性審判員がフィールドで堂々と笛を吹き、判定し、シグナルを出している姿や試合中、選手以上に全力で走っている姿に強く心を引かれました。高校3年間は選手として全力を尽くし、卒業後、福岡大学進学と同時に3級審判員の資格を取得しました。
理想と現実
福岡大学に進学後、女子サッカー部に所属しながら、審判員としても活動を続けるつもりでした。しかし、入学早々に左膝前十字靭帯断裂と内側外側半月板損傷の大怪我を負い、思い描いていた大学生活を送ることができませんでした。サッカーも審判活動もできず、毎日リハビリに取り組んでいました。
リハビリの期間中、復帰時期が不明で、目標を見失うこともありましたが、自分と向き合いながら怪我の悔しさをバネに復帰を目指して努力しました。しかし、焦りが悪影響を及ぼし、再建手術から約8ヶ月後、練習中に再度前十字靭帯を断裂してしまいました。
復帰して大好きなサッカーをもう一度するために、授業や部活以外で空いている時間はトレーニングに費やし、怪我と向き合い続け精神的にもきつかったリハビリ生活。それを乗り越え、あと少しでサッカーができるところまできた矢先に、再断裂という残酷なことが起きました。この辛さは今まで感じたことのない感情で、どん底に落ち、怪我とも自分自身とも向き合うことをしたくないくらい前に進めない日々が続きました。初めて心の底から楽しめない日も多くなり、リハビリに対してのやる気もなくなってしまい、選手を続けるか辞めるか相当迷いました。そこで、この複雑な気持ちを一旦整理するために1年間は選手活動を諦めることを決めました。
そんな中でも目標が変わらなかったことが、私の唯一の救いでした。その目標というのが、「今後も審判員としてサッカーに関わり続ける」ことでした。何度も選手を続けるか迷いましたが、復帰するためにもう一度全十字靭帯の再建手術を受け、リハビリをしていこうと決意しました。2度目の手術とリハビリ期間は、なかなか立ち直ることができず、リハビリにも熱が入らないことが多くありましたが辛いことだけではありませんでした。再建手術が行われる2ヶ月ほど前に2級審判員の資格を取得するチャンスを得ることができました。手術はまだ行われていない身体のコンディションを整え、試験に挑戦しました。正直100%の力を出し切れたとは言い切れませんが、このチャンスを必ず掴み取るために最大限に持っている力を出し切りました。その結果、無事合格することができました。
その後再建手術を受け、再びリハビリ生活が始まり、長い長いリハビリを経て、大学3年生の頃には2級審判員として様々な大会やリーグ戦を担当し、選手としても活動を再開していきました。

現在
大学4年では、選手と審判員の両立をしていました。正直なところ、選手か審判員のどちらかに専念していたほうが精神的にも楽で、全力で取り組むことができたと思います。シーズン前、選手と審判員のどちらかに偏りすぎてしまう自分の気持ちと向き合いました。監督、チームメイトに審判活動の状況など自分の思いを伝えることができ、選手をしながら審判活動をすることに対して理解をしてくれました。
12年間続けてきたサッカーを通して大学で出会うことができた同期、後輩と同じフィールドで選手として最後までやりきりたい気持ちはとても強かったです。
審判員としては、なでしこリーグ2部や秋には国民スポーツ大会のサッカー競技(少年女子部門)で予選・決勝戦を担当。そのほかにも、大学サッカ一の全国大会である総理大臣杯や全日本大学サッカー選手権大会など、日本各地で行われる大会に携わることができました。
私にとってこの経験はとても貴重で、今後大切にしていくべきことを沢山見つけることができました。また、この経験を通じて、自分自身の成長を実感し、新たな課題を見つけることができました。


今後の目標
今後は「国際審判員」を目指して審判活動を続けていきます。国際審判員になるまでの道のりは今までよりももっと厳しいものになると思います。その目標を達成するためには、先を見すぎず、目の前のことを一生懸命取り組むことが大切だと考えています。
私が選んだこの道、この選択に後悔しないよう、これからも私らしく一生懸命真っ直ぐに努力し続けます。
最後に
日々お世話になっている地域の審判委員会の皆様、審判インストラクター・審判員の皆様、大学の監督、同期、後輩、そして家族に対して感謝の気持ちを忘れず、より一層精進してまいります。