連載Vol.1 「応援されるのが苦しい」って思ったこと、ありますか?

「頑張れ!」

「応援してるよ!」

「君ならできる!」

本来ならうれしい言葉なのに、ふとした瞬間、こう思ってしまうことはありませんか?

「応援されるのが苦しい…」

期待されればされるほど、心が苦しくなっていく。

そんなとき、アナタはどう受け止めていますか?

応援されるのが苦しい、と思ったことありますか?

「頑張ってね!」

「応援してるよ!」

そんな言葉をかけられた時、どんな気持ちになりますか?

素直に「うれしい」と思えるときもあれば、心が落ち込んでいるときには、そう受け取れないこともありますよね。

「応援してくれてるのに、結果を出せなかったらどうしよう…」

「期待に応えられなかったら、ガッカリされるかも…」

そう思った瞬間、周りからの応援は“重たい荷物”に変わり、プレッシャーとして心にのしかかってくるのです。

応援がプレッシャーに変わるとき

部活の試合、受験、コンクール、発表会…。

日常生活には、“ここ一番”の場面がいくつもありますよね。

そんなとき、あなたを応援してくれる人もたくさんいるはず。

「頑張れ!」と背中を押してくれる、家族や仲間。

「お前ならできる」と声をかけてくれる、先生やコーチ。

この言葉自体はとてもありがたいことなのに、ある日、心の中でこうつぶやいてしまうことがありませんか?

「もう、応援されるのがしんどい」って。

「応援されるのが苦しい…」

正直に言うと、私も「応援されるのが苦しい」と思ったことがあります。

中学・高校とスポーツをやっていた頃は、ありがたいことにたくさんの人に応援してもらっていました。

でも、試合が近づくほど、その応援が重く感じるようになり、試合を楽しむどころか、プレーすることが怖くなっていったのです。

「負けたらどうしよう」

「自分のミスでみんなをガッカリさせたくない」

練習をすればするほど、「失敗しないようにしなきゃ」という思いばかり強くなって、頭の中はミスのことばかり。。

勝手に自分の中でプレッシャーを抱え込んでいました。

なぜ、応援が苦しくなるのか?

応援が苦しくなる理由はいくつかあると思います。

たとえば 「期待に応えたい」「頑張って結果を出したい」 という気持ちが強い人がいます。

心の調子がいい時なら、その応援の言葉が力になることもあります。

でも、気持ちがちょっと不安定なときには、その思いが「絶対に失敗できない」 というプレッシャーに変わってしまうこともあります。

こういった”褒められると、もっと頑張ってしまう”タイプは、責任感が強かったり、周りからどう思われているのかをすごく気にするところがあります。

その背景には、自分の価値は「結果や他者の評価で決まる」という思考があるからです。

”テストでいい点を取ったとき”や、”他者から褒められたとき”だけ自分の評価が上がる。そんな小さな思い込みが、“頑張る自分でいないと愛されない” という思考につながるのです。

だからこそ、応援の言葉が「もっと頑張らなきゃ」というプレッシャーになってしまうのです。

また、”ちょっと疲れた”って本音を言えないタイプも、本当は応援が苦しいと思っていても、その気持ちを隠して、さらに頑張ろうとしてしまうんです。

自分の気持ちを正直に伝えたら、応援してくれる人を裏切ってしまうのではないかと不安になるのです。

これは、小さい頃から“良い子”でいようとする意識が強かったり、周りをガッカリさせたくない気持ちが強いタイプに多く見られます。

たとえば、幼い頃に、兄弟と比べられて「しっかりしてるから助かるわ」と期待されたり、頼りにされることが多くて、「自分は甘えちゃいけない」と思い込んだり…。

そんな経験を重ねるうちに、“弱音を見せないのが当たり前の自分” になってしまうんです。

結果、自分の弱音を見せること=応援を裏切ること、と思ってしまうのです。

応援を“力”に変えるために…

じゃあ、どうすれば応援が苦しくなくなるのでしょうか?

私が見つけた答えは、“応援の受け取り方”をちょっと変えてみることでした。

まず、応援は「味方のしるし」だと思うこと。

あなたを本当に応援してくれる人は、結果だけを見ているわけではないのです。あなたの努力を見ているし、「あなたの味方だよ」というメッセージなんです。

またその応援を「ありがとう」という気持ちで受け取るだけでもいい。応援されたら、「結果を出さなきゃ」って思わなくてもいいんです。

まずは「ありがとう」って受け取るだけで十分なのです。

そして、少しだけ本音を話してみること。

信頼できる人に「ちょっとプレッシャー感じてるんだ」と素直に話してみると、応援する側も、応援の仕方を変えてくれます。

応援は、”背負わなくていい”

応援って、本来“背負うもの”じゃないんです。

でも、まじめで優しい人ほど、「応えなきゃ」って思って、どんどん背負いこんでしまいます。

実は、私もそうでした…

けれど、それではプレッシャーに押しつぶされてしまい、本来の力を発揮できなくなってしまいます。

覚えていてほしいのは、本当にあなたを応援してくれる人は、結果だけじゃなく、あなたの努力や存在そのものを見て「支えたい」「力になりたい」と思っているということです。

だから、もしあなたに過剰な期待を押しつけたり、見返りを求めてくる人がいたら、それは“本当の応援者”ではないのです。

大切なのは、応援の言葉をすべて背負うんじゃなく、「ありがとう。じゃあ、少しだけ力をもらうね!」

それぐらいの気持ちで受け取って、前に進むくらいがちょうどいいんです。

最後に

もし今、あなたが「応援されるのが苦しい」と感じているなら、それはあなたが、そのことに対して、本気で向き合っている証拠です。

本気で思っているからこそ、その言葉が心に重くのしかかってしまうんです。

でも、応援は本来、あなたを苦しめるためじゃなく、前に進むためのエネルギーにするためにあるもの。

だから、こう思ってみてください。

「応援は背負わなくていい。ちょっとだけ、力をもらえばいい。」

そうすれば、応援はきっと“重荷”じゃなくて、あなたの背中をそっと押すパワーに変わるはずです。

そして、その応援を味方にして、力強く進んでいきましょう!

連載コラムの執筆者✍🏻

キッズスポーツコーチ 岩元愛
専業主婦の期間を経て、スポーツジムでのレッスンコーチや独立してソフトテニスのクラブチームの立ち上げを経験。現在は3児の母でありながら、身体を動かしながら心のコミュニケーションを育む教室「ジブン表現塾」の運営、指導現場や子育てを通しての経験をSNSで発信するなど、競技の「技術」よりも「心と体の土台」を育てることを大切にされているキッズスポーツ教室のコーチ。

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